鹿児島市の餃子専門工場「餃子のビッグファイブ」の川原健司様にお話をうかがいました。

鹿児島県鹿児島市の餃子専門工場。通販サイトや直売所で大人気のオリジナル餃子を開発・販売しながら、業務用餃子も製造。安心・安全で時代の変化に対応した製品作りをモットーに、食材の宝庫、鹿児島県の素材をいかした様々な美味しさを開発する企業です。美味しい餃子は、テレビや雑誌でもお取り寄せグルメとして度々紹介されています。


餃子のビッグファイブ様
鹿児島県鹿児島市


熊澤:御社の餃子に、なぜ弊社のお米の加水分解物を使うことになったのか、本日はお聞かせください。

川原様:とにかく自然な食品が作りたかったんです。原材料表示になるべく余計な表記がいらない餃子を目指す中、具材をとどめる片栗粉的役割で使う「加工でんぷん」と表示される素材を、何とか取り除きたかった。皮にも加工でんぷんを入れてモチモチ感を出すのですが、この表示もなくしたいと考えていました。そんなときにNHPさんのお米の加水分解物に出会えたという経緯です。日本人に馴染み深い米粉という素材を使って自然な形で餃子ができまして、これなら当社の方向性に合っているな、と。

熊澤:ありがとうございます。先日、御社の開業物語を描いた書籍も読ませていただきましたが、創業者であるお母様の味が始まりということもあり、まるで家庭でお母さんがお子さんに作ってあげる料理のような自然で安心な美味しさを……という強い信念を感じました。様々な新しい取り組みも行っていらっしゃいますが、やはり商品開発の根本は、安心・安全というコンセプトなんですね。

川原様:はい。食の機能という話をよくするのですが、食品には生命維持のため栄養を摂るという一次機能、食事を楽しむ味覚という二次機能、そして体調を調整する三次機能があるといわれます。でも、その前の0次機能としての安全・安心こそが食のベースと考えます。安全の方は工場での数値的な管理がメインですが、お客様にダイレクトに伝えられる安心といえば、使用した素材の表示です。

餃子のビッグファイブ様 商品一例

熊澤:確かに、この食品に何が使用されているかというのは気になりますね。弊社のお米の加水分解物は、増粘剤・乳化剤と同等の役割がありますが、化学処理を行わない加工ですので、添加物ではなく「米粉」という食品表示になります。

川原様:ビッグファイブは、私の母が創業し、様々なメニューを作り始めたということもあり、機械もない中、まさに手作りの母親目線での美味しさ作りから始まりました。現在では工場もできて広い敷地で作っていますが、だからといって食品工業的な形で添加物をどんどん使って生産性を上げるという方向にはしたくありません。創業の思いをベースにした餃子作りを進めていきたいからこそ、NHPさんの技術に助けられています。

熊澤:ありがとうございます。私もビッグファイブ様の餃子の大ファンです。本日試食用にも焼いていただき、初めて食べるスタッフも、モチモチの皮とジューシーな具に驚いておりました。弊社の素材がこの美味しさのどういう部分にどんな影響を与えているのか、具体的に教えていただけますか?

川原様:餃子の具って、時間がたつと肉はもちろん野菜からも中の水分が出てくるため、そのままでは品質が安定しないんです。しかしNHPさんの素材なら、水分を留めてジューシーさを保てます。また、皮に関しても、一番いい分量の加水分解物を研究して使うことで通常のグルテンだけでは引き出せないモチッとした食感を引き出せました。

熊澤:かなり企業秘密的な部分をお話いただいている気がしますが、公表しても大丈夫でしょうか?

川原様:はい。いいものは必ず世の中に知られていきますし、遅かれ早かれ研究熱心な方は目をつけますから。おかげ様でビッグファイブの場合、いち早くこの素材を導入できましたし、今後も商品の開発、改良、研究を続けることで、他社に追いつかれないようにさらに進化するつもりです。それに、いい素材をただ使うだけでなく、使って何をするかという点が本当の企業秘密です。

餃子の焼き方を実演いただきました!

熊澤:次に、今後のビジョンについても少しお話できればと思います。じつは、我々NHPは現在、九州の様々なユーザー様と精力的に提携しておりまして、積極的にここ九州で生産をしていきたいと考えております。まだ秘密の部分もあるのですが、近いうちに魚や肉の分解物を九州で作っていくための準備を今、進めております。その際はぜひ、それを用いた食品開発でご一緒させていただきたいと考えております。

川原様:それは可能性を感じますね。NHPの加水分解は様々な素材の性質を変えながら、いいところを引き出しますから、もっとお肉の風味や何かを引き出すための新しいヒントになるかもしれません。

熊澤:ちなみにお魚の場合、加工で出る骨など、食品ロスの部分も利用するつもりです。

川原様:いいですね。お魚の加工って、想像以上に廃棄する量が多いですから。骨と骨との間にも身がついていますが、全部取るとなるとコストもかかりますし、現場で見てると、どんどん捨ててしまう。骨とか頭に一番DHAやカルシウムが残っていそうで、もったいないと思っていました。

熊澤:はい。地域の原料はなるべく地域で使い、その地域はもちろん、全国で消費されてほしいですから。我々も地域の産業に少しでも貢献していきたいと考えています。本日はありがとうございました。

対談後、餃子と一緒に一枚

(聞き手:NHP 熊澤)


餃子のビッグファイブ(株式会社 ビッグファイブ)

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