ベトナム・カントー大学での共同研究、第二フェーズへ ―NHPの技術から始まる、資源循環の実証―

2025年10月9日、ベトナム南部メコンデルタ地域のカントー大学にて、日本ハイドロパウテック株式会社(NHP)、株式会社ロッテ、カントー大学、株式会社タケショーおよびタケショーフードベトナムによる第二次共同研究の調印式が行われ、2023年から続く共同研究が第二フェーズへと進みました。
本研究は、加水分解技術を活用し、これまで廃棄されてきたカカオポッドを肥料化することで、土壌改善およびカカオ収量の向上を目指す取り組みです。第一次研究では、土壌改善および苗の成長促進効果が確認され、今回の第二次研究では、実際の農地における収量への影響を検証する実証段階へと進みます。
カントー大学学長も参加しての調印式、そして、翌日第二次共同研究に向けて実施された、農地へのカカオポッド加水分解物の散布の様子を、期待高まる関係者の声とともにお届けします。


「大きなファミリーのように」

カントー大学 学長
チャン チュン ティン

Assoc. Prof. Dr. Tran Trung Tinh
Rector, Can Tho University

カントー大学 学長 Tran Trung Tinh(チャン チュン ティン)氏は、歓迎のスピーチで、今回の連携を“This with a family together. Very big family.”と表現しました。これは単なる契約を超えて、大学、企業、研究者、農家が同じ未来を目指して歩む共同体であることを示す言葉として、関係者を後押しします。
そして、メコンデルタは今大きな変化の中にあり、理念ではなく実行することが重要であると強調しました。本研究はその「実行」に向けた具体的な一歩として紹介され、言葉の端々に共同研究への期待が感じられました。


大学は地域と世界をつなぐ存在

カントー大学 国際協力部長
フ タイ ニャン

Assoc. Prof. Dr. Hua Thai Nhan
Director of International Cooperation Can Tho University

カントー大学 国際協力部長 Hua Thai Nhan(フ タイ ニャン)氏は、「我々カントー大学とみなさまの取り組みが、新しいステージに進んだことを大変嬉しく思います」と共同研究の歩みを振り返りました。
そして、カントー大学はメコンデルタ地域を代表する大学として、地域課題に向き合う責任を担うと同時に、国際社会と接続する役割を持っていると続けます。地域の農業課題を国際的な技術や企業との連携によって解決へと導くことが大学の使命であると語り、「ベトナム政府が推進する循環型経済への貢献、そして地域社会への発展につながる良いモデルとなることを期待します」と、継続的な連携を強調しました。


持続可能な循環モデルへの期待

株式会社ロッテ 中央研究所所長
関 哲哉

Tetsuya Seki
Director, Central Research Laboratory LOTTE Co., Ltd.

株式会社ロッテ 中央研究所所長 関哲哉氏は、世界的な気候変動の影響を受けて、天然原料の安定供給の重要性と、そのために「育てる」ことから始めることが重要だと言います。そして、生産の現場を見続けたからこそ気づいたカカオポッドの処理の課題と、その活用を目指す本研究が、チョコレート産業の新たな可能性を広げる取り組みであると位置付けます。また、将来的に持続可能な原料調達モデルの構築につながるとして「世界の食品ビジネスの新しいあり方を示すものになる」とNHPの技術と本研究の取り組みへの期待を表現しました。


まだ世界が認知していない可能性を世界へ

タケショーベトナム General Director
福島 直人

Fukushima Naoto
General Director, TAKESHO FOOD VIETNAM CO., LTD.

カントー大学と継続した協業を続けるタケショーベトナム代表の福島直人氏は、古くからこの地域に関わる理由として、メコンデルタの農水産資源の豊かさを上げました。そして、その多くはまだ十分に活用されていない可能性がある、と言います。それらが技術と結びつくことで、新しい価値を持つ資源になり得るとして、「ベトナム食品の高付加価値化につながる本研究に参加できることを嬉しく思います」と続けます。そして、まだ世界が認知していないものを世界へしっかりリリースしていくことが使命であり、NHPの技術と一緒にそれを推進していきたい、と期待を語りました。


ベトナムにとって誇れるプロジェクトに

ロッテベトナム General Director
小川 貴昭

Takaaki Ogawa
General Director, LOTTE Vietnam Co., Ltd.

ロッテベトナム社長の小川貴昭氏は、「ベトナムはカカオの産地としてのポジションを持っていますが、その価値が自国の製品として十分に活かされているとはまだ言えない状況があります」と、ベトナム産カカオとそれを取り巻く状況について言及しました。ベトナムで暮らす中で感じる、ベトナムの方々の自国への誇りの強さに触れながら、「将来的には、ベトナム産カカオを使った製品を実現したい」と、その誇りに応えたいという思いと夢を語りました。

世界に誇るベトナムのカカオを目指して

株式会社ロッテ 中央研究所未来価値研究部課長
樋口裕明

Hiroaki Higuchi
Manager, Future Value R&D Department, Research and Department Center
LOTTE CO., LTD.

共同研究を牽引する株式会社ロッテ中央研究所の樋口裕明氏は、今回の共同研究について「まずはカカオポッドが収穫や品質の向上につながるエビデンスを求めたい」と気を引き締めながらも、第一次研究の結果に手応えを感じている様子がその表情から伝わってきます。
また、「ベトナムにおけるカカオ農家の収益を増やして、カカオ農園を増やしたい」と語るその視線に、社会と並走する研究者として姿勢に期待と自信が伺えました。


世界へ輸出ができるような品質まで高めたい

農家
グェン ヴァン ウット

Nguyen Van Ut
Farmer

今回の共同研究を支えるカカオ農園の生産者であるNguyen Van Ut(グェン ヴァン ウット)氏。これまで、放置をすれば土壌に悪影響を与えることもあったカカオポッドが肥料として使えるのなら、とその可能性に期待を覗かせます。そして、農家としては良い品質のカカオを作ることが最も重要、という実直な姿勢と、「ベトナム国内だけでなく、世界に輸出できる品質に高めたい」と今回の共同研究に対する前向きな言葉が印象的でした。


持続可能な農業モデルを目指したい

カントー大学 農学部 准教授
ズォン ミン ビェン

Assoc. Prof. Dr. Duong Minh Vien
College of Agriculture, Can Tho University

共同研究を牽引するカントー大学 農学部 准教授 Duong Minh Vien(ズォン ミン ビェン)氏は、研究を並走してきた立場として、その成果と第二フェーズに進んだことへの感謝を語りました。また、従来型の化学肥料への依存を減らすことへの期待とともに、カカオポッドを循環的に活用する試みは、農業の持続可能性を示す取り組みであると評価します。今後の研究を通じて科学的な成果を示していきたいと語り、長期的な協力関係の継続への期待について語りました。


これだけ現地に足を運ぶチームは他にはない

NHP 代表取締役
熊澤正純

Masazumi Kumazawa
CEO, Hydro Powtech Japan Co., Ltd.

プロジェクトの指揮を取る、NHP代表 熊澤正純は、今回の取り組みについて、「大学、企業、そして国を超えて連携することの意義は大きい」と語ります。そして、共同で研究を進めるロッテのメンバーを指して「これだけ現地に足を運ぶチームは他にはない」とその姿勢に全幅の信頼を寄せています。NHPの技術をきっかけに、メコンデルタの地から始まるこの挑戦が、資源循環社会の実証へ向かう様子に、期待が高まります。