高品質パンのお店を全国各地に展開。「レアールパスコベーカリーズ」製品開発部の中山 晃史朗様にお話をうかがいました。

レアールパスコベーカリーズは、複数の百貨店ブランドを北は札幌から南は博多まで83店舗展開。店舗内で焼き上げる手づくりのパンや洋菓子にこだわる「ベーカリーショップ」の会社です。素材からこだわった本格的な焼きたてパンのブランドで知られています。


レアールパスコベーカリーズ様
東京都目黒区


熊澤:いつもNHPの商品をお使いいただきましてありがとうございます。本日は、NHPのお米の加水分解物を商品の方にご利用いただくことになった、その経緯など、詳しくお聞かせください。

中山様 :はい。元々は生食パンブームが全盛期だった時期に、弊社でも生食パンを開発しましょうというところから始まりました。1年くらいかけて生食パンを開発していたんです。そのときはNHPさんの加水分解物にはまだ出会っていませんでした。商品設計が一度固まりかけた後に、原料の問屋さんからNHPさんの加水分解物をご紹介いただきまして、とりあえずテストしてみようということになりました。試したところ、それが本当に美味しかったんです。しっとり感ですとか、口どけの良さが明らかに違いました。社内でも良い評価で、急遽、配合を変更して採用させていただきました。

熊澤:偶然の出会いだったわけですね。

中山様:タイミングが違えば、使っていなかったかもしれません。

熊澤:本当にありがとうございます。その後は生食パンに限らず、百貨店のベーカリーのパンなどでご利用いただいているとうかがっています。どのようにご利用いただいているのでしょう。

レアールパスコベーカリーズ様 商品一例

中山様:その生食パンの開発が終了した際、次の開発の指針として、多加水のパン(水を多く加えて作るしっとりモチモチのパン)やリテールベーカリー(店舗内にパンを作るための厨房を持つベーカリー)に合ったパンを作ろうということになりました。そこでNHPさんのお米の加水分解物のゲル化作用に着目しテストしてみたところ、とても効率よくできたという経緯があり、横展開していったわけです。

熊澤:ゲル化ということは、パン業界における、いわゆる「湯種」や「湯種ブースト」的な役割でのご利用ということでしょうか。

中山様 :そうですね。多加水のパンを作る際の補助として、「ゲル化剤」のような添加物を使用すると作りやすくなるのですが、味が悪くなってしまうのです。しかし、NHPさんのお米の加水分解物を使うと、ゲル化もするけど味も良くて、両方良いところがあったわけです。それで採用させていただいています。

熊澤:ありがとうございます。NHPのお米の加水分解物は、食品添加物と同等の機能を持ちながら味にもプラスに働くという性質を持っているんです。また、日本の農業政策やコメ余りという問題の解決への一助にもなると考えております。ですから機能と味のために使っていただけるということは、開発者として非常に嬉しいです。

中山様:いろいろ試してはみたのですが、結局これが一番美味しかったんです。他のものでは食感やくちどけの悪さを少し感じてしまいまして、NHPさんのお米の加水分解物はどちらもよくて使うことになりました。

熊澤:ありがとうございます。現在ご利用いただいているお米の加水分解物の他にも、NHPでは様々な素材の加水分解物を用意しておりまして、例えば最近ですと、小豆の加水分解物ですとか豆系の分解物がございます。どれもお米のもの同様にケミカルフリーかつ、様々な機能を持っています。この機会に、ぜひ「こんなものを作れないか」など、ご意見をいただけたらありがたいです。

お米の加水分解物(JU-800)が入った商品を試食させていただきました!

中山様 :そうですね。様々な可能性が考えられますが、個人的には、例えばお米以外ですと、何か野菜のパウダーでゲル化するものがあったら興味深いと思います。

熊澤:なるほど。野菜のゲル化ですね。じつは、そういったものもNHPでは開発可能です。今後ぜひ野菜の種類や味、どんな機能で役立てたいかといったお話をお聞かせいただければと思います。様々な機能も備えつつ、なんといっても “美味しい”ということも忘れてはいけないですね。

中山様:そうですね。私は子供のころからパンが好きで、今の職を選びました。現在、パンの開発に携わっていますが、何年続けていても新しい発見がありとても面白い世界だと思っています。これからも、美味しいパンが提供できるように、頑張りたいと思います。

熊澤:何か新しいものを開発したいなどの相談やご要望がありましたら、ぜひ、いつでもお聞かせください。例えば、NHPでは、アレルゲンフリーかつ植物性という、従来なかったチョコレートパウダーも開発しております。というのも、じつは私自身チョコではありませんがアレルギーがありまして、小さなお子様が好きなもの、好きなお菓子を食べられないというのは非常に悲しいものだという思いが強く、開発していったという経緯があります。チョコレートを使った食品も子供たちが大好きなものですから、ぜひ、みんなに食べてほしいですね。今後も、様々な食品メーカー様に我々の技術や素材を組み合わせていただければ、と考えております。

中山様:様々な可能性がありますね。今後とも、よろしくお願いします。

熊澤:こちらこそ、よろしくお願いいたします。本日は貴重なお時間、ありがとうございました。

対談後、笑顔で一枚

(聞き手:NHP 熊澤)


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