「ANY1 CHOCO」ブランド開発インタビュー (vol.4)

NHPの加水分解技術を応用した、プラントベース(植物性原料)、乳製品不使用(デイリーフリー)、小麦粉不使用(グルテンフリー)にこだわったチョコレートブランド「ANY1 CHOCO」。ブランドのデビューに際して、立ち上げに関わった4人の主要メンバーにシンガポールでの旗艦店オープンのタイミングで、それぞれのプロジェクトに対する思いを伺いました。(聞き手:岡部 修三)


Tan Foo Choy
事業展開パートナー/アドバイザー

日系大手飲食チェーンのシンガポール進出や、シンガポールのラーメンブームを牽引するケイスケシンガポールの立ち上げなど、日本食を中心とした飲食産業で20年以上の経験を持つ。2017年パートナーとともに起業、現在人吉グループとして、シンガポール及びマレーシアにて店舗展開を行う。


岡部:まず、Tanさんが今手掛けている事業について教えてもらっても良いでしょうか?

T私は、ひとよしラーメンをキャリアのスタートとして、日本食に関する飲食店をシンガポール、マレーシアで18店舗(2024.04時点)ほど展開しています。NHPの技術とは、HPS(シンガポール法人)の代表Albertを通じて出会いました。

岡部:プロジェクトを進めていくにあたって、店舗展開を伴うブランドは店舗をマネージメントするパートナーが最も重要、という話をしていたので、Tanさんとの出会いは、非常に重要なきっかけになったと思います。

T私は、これまで店舗の経営はしてきたものの、ブランドという意識はそこまでありませんでした。今回、ブランドを一から作るプロセスに立ち会えて、こうやってチームで取り組めることは非常にエキサイティングな出来事です。知らない世界に向かって行くことは楽しいですよね。

岡部:そう言ってもらえると嬉しいです。このプロジェクトはNHPの技術の可能性のほんのスタートだと思っています。TanさんからみてNHPの技術に期待することはありますか?

T実際、技術を全て理解しているわけではありませんが(笑)、ずっと食に関わる事業に関わっているので素材やそのサイクルについての重要性はすごく感じています。そう言った意味で、農場から消費者まで、できる限り無駄なく良いサイクルで循環させられることに興味があります。

岡部:農場の横に工場を作って、そこで採れたものを無駄なく加工して、消費者に届ける、というのが最も効率的なあり方ですよね。実際、フェアトレードに類するような現場は部分を切り取ってしまうのでなかなか本質的にはなりにくい。

Tそんなに遠くないタイミングで実際に農場にも挑戦してみたいと思ってます。例えば、マレーシアの農場で採れたカカオ豆を使ってチョコレートができたらどうなるんだろう、そんな可能性を感じさせてくれる技術であり、プロジェクトだと思っています。

岡部:本当にそうですね。世界のいろんなところにこの技術が広がって、食の楽しさ、可能性につながっていく、そんなきっかけになればと思っています。最後に、このプロジェクトに対して、一言お願いします。

Tコンセプトの通りですが、世界中にブランドが広がってくれることを期待しています。自分にとっても新しい領域への挑戦となるので、今からとてもワクワクしています。

聞き手 : 岡部修三
ブランド戦略、クリエイティブディレクション

環境デザインとストラテジデザインを行う、upsetters architects 主宰。ブランド構築に特化したLED enterprise 代表。JCDデザイン賞金賞、グッドデザイン賞、iFデザイン賞など、国内外での受賞歴多数。現在、NHP社のCCO(チーフクリエイティブオフィサー)として、クリエイティブ全般を牽引。